・男女の出会いにスポットを当て、大人の出会い、大人の恋、既婚者の出会い、性の問題、人の一生などを題材としたエッセイ集です。
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ここは、サイト運営者木村雄作の、エッセイコーナーです。 毎月1日に差し替えます。暇な方は、読んでみて下さい。 |
| 水のしみ込むところ(人の弱点) | ||
| またかと言うように、テレビで路上でのキャッチセールスやマルチ商法の被害を報じている。 私が会社員であった頃の話である。いつもにこやかで愛想の良い、それほど美人ではないが、清潔感があって好感の持てる、女性の保険セールスウーマンが出入りしていた。 来社の度にお茶菓子を買って来て、気軽にお茶を入れてサービスをし、世間話をして帰る。このセールスウーマンをいつも歓迎し、話し相手になっていた二人の男性がいた。 やがてこの二人は、分不相応な高額保険に加入し、毎月の支払いに四苦八苦する羽目となった。 一顧だにしなかった私に対しては、ついに保険の話さえされる事はなかった。 ところで、土の上にバケツで水をまくと、その水は一時はたまりとなっているが、やがて四方八方に分かれて、土の弱い所を選び出して、しみ込んで行く。固いところを避け、強い石を避け、砂地のような弱いところを上手く選んで、しみ込んで行く。 人間の世界も、真に良く似ているように思う。 物を売り込もうとする場合でも、詐欺を働こうとする場合でも、彼らはその目的を達しようとする時、先ずその人間をよく見る。 そして、その人間がとても落ちそうに見えない時は、最後まで普通の善良なままの人で終わり、決してその本性を現す事はない。 しかし、その人が弱そうな“砂地”に見えた時、彼らはこの上ないにこやかな笑顔を浮かべて、獲物を狙う“狼”へと変身するのである。 「浜の真砂はつきるとも、世に盗人の種はつきまじ」とは、盗賊石川五右衛門の言葉と聞く。 世の中の全ての人が善人であることが理想社会であろうが、しかし、いつの世でも絶えることなく、狼たちは虎視眈々と善良で弱い人達を狙っているのが、現実社会である。 このサイトに関係する事でもあるが、男女の色恋を餌として爪を研ぐ狼も当然のようにいる。 そして、欲の皮の突っ張った人が、お金儲けを餌とする狼にひっかかるように、色恋の道では、言葉は悪いが、鼻の下を長くしすぎると、やられてしまうようである。 では、それを防ぐ方法は無いのかと言えば、そんな事はない。極めて簡単な事だ。 その真理は、「世の中には、常識で判断して、特に有利な話などは無い」「良い格好をしようとすると、後で高く付く」と言う事である。 只今現在、降りかかってきた話が、常識に照らして“特に有利”ではないかを冷静にみる事さえ出来ればいいのである。 また、可愛い女性に哀れな話をされて「助けくれ」と言われて、「ここは一丁、良いところを見せたい」と思うなら、それが作り話であることが後で分かったとしても、悠然、泰然自若としていられる自信がなければならない。 世の中には、「騙された」と言って、「自分は被害者様で、相手が全て悪いのだ」と言った方が多い。 だがしかし、騙される人が全て善であるとは、言い難いのである。 なぜなら、世の中の全ての人が、水の流れに逆らう固い岩盤や、石のような人ばかりであれば、騙す人、つまり罪を犯す人も発生し得ないのである。 恋の冒険には金銭的な危険だけではない、いろいろな危険がいっぱいだ。 だから、男女共に“砂地”のように弱い人間は、恋の冒険者としては失格者なのである。 そんな事態を招かない自信のある人、万一の時でも平然と対応出来る勇者のみが、恋の冒険者たる資格者であるように思う。 |
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